新潟市 會津八一記念館

お知らせ・企画展

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文人と詩書画一致のモダニズム

近世から現代 つなぐ詩書画の美の軌跡

會津八一(1881~1956)は、歌人、書家、美術史家として活躍し、近代最後の文人とも称されます。文人とは、時代や国によって意味は変わりますが、詩書画に秀でた教養人のことを指します。そして文人の詩書画は、優れた精神、人格から生み出された三位一体の東洋的芸術と考えられています。

八一は、文人の生き方、芸術に憧れを抱いていましたが、過去の文人たちの作品をただ模倣するのではなく、自由な精神の中で自己の表現を模索していました。そのように制作された八一の詩書画は、各々が共鳴するような魅力を持ち合わせています。八一が制作で最も注意したことは、詩と書と画の調和で、それぞれの良さを損ねないように構図などの推敲を重ねました。

本展は、文人と詩書画をテーマに、新潟における文人の系譜を踏まえながら、八一の文人的芸術世界と、その魅力を紹介します。また、本年生誕125年を迎える世界的脳神経外科医で俳人の中田みづほ(1893~1975)など、八一と交流があった人物にも焦点を当てます。市民から文化の薫り高い存在として一目を置かれていた八一とその周囲の人々から、近代の文人の実像を浮かび上がらせます。さらに、日本絵手紙協会と小池邦夫名誉会長の協力のもと、現代の文人画ともいえる絵手紙とその源流にも着目し、現代に息づく詩書画の世界を紹介します。

ワークショップ

講座名 「絵手紙体験「にいがたを描く」」
講師 谷雅子(日本紙手紙協会公認講師)
日時 2018年5月11日(金) 10時30分~12時(予定)
会場 新潟日報メディアシップ 2階 日報ホール
定員 30名
参加費 1500円(材料費含む)

文芸講演会

演題 會津八一と絵手紙
講師 神林恒道(新潟市會津八一記念館館長)
日時 2018年5月11日(金) 14時~15時30分(予定)
会場 新潟日報メディアシップ 2階 日報ホール
定員 100名
参加費 500円

※往復はがきで希望イベント名、住所、氏名、電話番号を記入し、會津八一記念館までお送りください。定員に達し次第締め切ります。
※1通につき1イベント、1名様のご応募といたします。

企画展チラシ

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チラシ表

チラシ裏

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第11回写真コンテスト入賞者発表

2017年12月7日、「會津八一の歌を映す」第11回秋艸道人賞写真コンテストの審査が行われました。入賞作品は、12月22日から新潟市會津八一記念館で開催する企画展「會津八一と吉野秀雄~師として弟子として~」で併設展示する他、新宿中村屋サロン美術館(東京)、奈良県立図書情報館、いかるがホール(奈良県斑鳩町)、高松市市民活動センター(香川県)、胎内市産業文化会館などで巡回展示する予定です。

【秋艸道人賞】

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高橋ジュン(タカハシジュン)
新潟市江南区 73歳
「天地に われひとりいて 立つごとき このさびしさを きみはほほ笑む」

【新潟市長賞】


佐久間光夫(サクマミツオ)
新発田市 73歳
「薄れゆく 壁絵のほとけ もろともに わが玉の緒の 絶えぬともよし」

【胎内市長賞】


井川康徳(イガワヤスノリ)
胎内市 73歳
「みとらしの 蓮に残る 褪せ色の 緑な吹きそ 木枯らしの風」

【新潟日報社賞】


渡辺征二郎(ワタナベセイジロウ)
奈良市 78歳
「大和路の 瑠璃のみ空に たつ雲は いずれの寺の 上にかもあらん」

【BSN賞】


横井良人(ヨコイヨシト)
村上市 65歳
「藤原の 大き后を 現し身に 相見るごとく 赤きくちびる」

【審査員特別賞】


髙橋ノリユキ(タカハシノリユキ)
新潟市北区 48歳
「ビルバクシャ 眉ねよせたる まなざしを まなこに見つつ 秋の野をゆく」

入選者一覧

相田保(三条市)、安澤一洋(新潟市西蒲区)、内山義昭(新潟市中央区)、小野寺悌三(燕市)、河内美加(胎内市)、澤戢三(奈良県生駒郡)、城真由美(京都府向日市)、髙野栄子(五泉市)、外石富男(加茂市)、冨樫辰郎(新発田市)、外山満(新潟県西蒲原郡弥彦村)、中野金吾(新潟市中央区)、中林重英(新発田市)、藤江松男(島根県出雲市)、古田敏春(新発田市)、星正一(加茂市)、増田将洋(新潟市中央区)、松木早苗(新潟市中央区)、松山幸弘(福井市)、皆川功(新潟市東区)、横井良人(村上市)、和田広次(新潟市西区)、和田均(小千谷市)〔敬称略 五十音順〕

吉野秀雄没後50年記念「會津八一と吉野秀雄」

師として弟子として

會津八一(1881~1956)と吉野秀雄(1902~67)とは歌の師弟関係にありました。2016年、当館は吉野の支援者・故小竹久爾氏(元柏崎日報社長)遺族から吉野の歌書作品を多数贈られました。本展はそのお披露目を兼ね、吉野没後50年を記念して開くものです。

展覧会では、①友人~八一と吉野秀雄 ②小竹コレクション〈吉野秀雄の歌書〉 ③吉野秀雄選・八一の短歌と俳句の書 ④吉野秀雄が敬慕した斎藤茂吉の見た八一と吉野の歌―の4つのテーマで、會津八一の歌と吉野秀雄の歌を比較します。

八一は茂吉とも交流がありました。昭和20年4月7日、八一は茂吉邸を訪問します。初対面の2人は、防空壕のなかで各々の歌を揮毫して交換しました。それらの歌書作品を一堂に陳列し、八一と茂吉の接点も紹介します。

同時に第11回會津八一の歌を映す写真コンテスト入賞入選作品展も開催します。

講題 「写生の詩学ー 八一、茂吉から吉野秀雄へ」
講師 若松 英輔氏(批評家・随筆家)
日時 2018年3月6日(火)/午後2時~3時半
会場 日報ホール(新潟日報メディアシップ2階)
定員 150名
参加費 500円

写真コンテスト入賞入選表彰式・公開講評会

講評(予定) 淺井愼平氏(写真家)、和泉久子氏(鶴見大学名誉教授)、神林恒道(會津八一記念館館長)
日時 2018年2月3日(土)午後2時〜
会場 ホテル日航新潟 30階 鳳凰
定員 100名
参加費 無料

※イベント1、2とも往復はがきで「文芸講演会」、「表彰式・講評会」のいずれか参加希望を記し、住所、氏名、電話番号をお書きの上、會津八一記念館までお送りください。
※1通につき1名様までのご応募といたします。定員に達し次第、締め切ります。

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入賞作品について、詳しくはこちら

企画展チラシ

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チラシ表

チラシ裏

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英文解説書ーThe Life and Works of Aizu Yaichi

會津八一記念館は、會津八一の生涯とその作品・業績について、
英文解説書を用意しています。
A4版77ページで、前半が英文、後半がその日本語訳となっています。

英文

執筆は會津八一記念館の神林恒道館長、大阪教育大の萱のり子教授(現・東京学芸大教授)、
UCLAのマイケル・マルラ教授、會津八一記念館の喜嶋奈津代学芸員の4人です。

「會津八一の『美学』」(神林館長)、「『生きもの』としての奈良歌の書」(萱教授)、
「會津八一の奈良歌について」(マルラ教授)、「會津八一の生涯」(喜嶋学芸員)からなり、
八一の書作品をはじめとする図版も39枚掲載しています。

英語圏の人たちに會津八一を知ってもらうには最適の解説書です。
會津八一研究にお役に立てください。810円(税込み)。

「無」の境地で常に「精進」、そして「反省」を忘れず

會津八一が揮毫した「無」「精進」「反省」の文字もくっきり、
3枚の扇面が絵はがきになりました。オリジナルグッズのページをご覧ください。

會津八一記念館の絵はがきは、「学規」(1枚)と、8枚セットの「観仏三昧」だけでしたが、
このたび、新たなセットを発売しました。

「反省」と「精進」の二つは、八一が早稲田大学教授時代(53歳)のときのもので、
甥の泰三(13歳)に書いて贈りました。教育者のまなざしが感じられます。

「無」は、若いころから老子の「道徳経」に親しんでいた八一が、よく作品にしたためました。
横画3本と縦画4本によって生まれる6つの四角形の形が、書くたびに変化するのを八一は
興味深く感じていました。下の写真が3枚のうちの「無」です。

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さて、今の心境にぴったりの1枚(言葉)を選んで、
友人や遠く離れた家族に近況を知らせてみませんか。

八一と出版社関係との往来書簡集 「雁魚來往<五>」を刊行しました

 平成25年から毎年會津八一と交流のあった文化人との往来書簡を解読して刊行している書簡集です。 
 第5号は、八一と関わりのあった出版社関係として、八一の歌集『山光集』を刊行した養徳社、書画集『遊神帖』の四季書房、『會津八一全歌集』の中央公論社の編集者との間でやりとりされた書簡を時系列に並べて収録しております。
 四季書房宛に、その不誠実をとがめた八一の葉書は、いったん書いた文面の行間に、今度はインクの色を変えて葉書を逆さまにして文字を綴った跡があります。
 当記念館のみの販売です。1冊2、160円(税込)。ご希望の方は当館までご注文下さい。
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「芝蘭の交わり」展 今日24日で最終日

現在開催中の企画展「芝蘭の交わり」が本日24日で最終日となります。まだ、展示をご覧になられていない方は、お見逃しなく!また、会場内には、展示作品に関するクイズを設けております。解答した方には、會津八一の書入りの特製はがきを3種類の中から1種類を選んでいただき差し上げています。ぜひチャレンジしてみてください。
なお、24日は午前11時から作品解説会を当記念館展示室で行ないます。

2017年度 新潟市會津八一記念館特別展「禅 ZEN」

早稲田大学會津八一記念博物館
富岡コレクションを中心に

新潟市會津八一記念館と姉妹館協定を結ぶ早稲田大学會津八一記念博物館の富岡コレクションは、江戸時代の禅僧白隠画《布袋すたすた坊主図》や《蛤蜊観音図》などを有することで知られています。

 富岡コレクションは、新潟県糸魚川市出身で、日本重化学工業株式会社の初代社長富岡重憲(1896~1979)が、永年にわたって収集した美術品で構成されています。特に、富岡は、江戸時代の禅書画に深い関心を寄せており、近世の主な禅僧を作品でたどることができるほどのコレクションを形成しました。

 本展では、禅をテーマに、富岡コレクションの近世書画と、會津八一書作品を中心に紹介いたします。また、それら作品に合わせて、富岡コレクションのもう一つの核となっている高麗茶碗や和物茶碗、中国・明・清時代の鑑賞陶器の逸品も同時に展示いたします。
 さらに、特別展示として、良寛の禅学の真髄ともいわれ、良寛が自ら『法華経』の多彩な思想を漢詩等によって示したとされる、良寛書《法華讃》(新潟市蔵)も紹介いたします。

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記念講演会1

講題 「禅画入門─富岡コレクションの禅書画を中心に」
講師 浅井京子氏(元早稲田大学特任教授)
日時 2017年10月20日(金) 14:00〜
会場 日報ホール(新潟日報メディアシップ2階)
聴講料 500円

記念講演会2

講題 「良寛筆『法華讃』と禅について」
講師 竹村牧男氏(東洋大学学長)
日時 2017年11月2日(木) 14:00〜
会場 日報ホール(新潟日報メディアシップ2階)
聴講料 500円

※イベント1、2とも往復はがきに参加希望講演会名と、住所、氏名、電話番号をお書きのうえ、會津八一記念館までお送りください。
※1通につき1講演会、1名様までのご応募といたします。定員に達し次第締め切ります。

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期間中 土・日曜日 午前11時から当記念館展示室にて

企画展チラシ

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チラシ表 チラシ裏

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【終了しました】軽やかに生きる…大徳寺の泉田玉堂師が講演します

會津八一の誕生日の8月1日(火)午後2時から、新潟市中央区万代の日報ホールで、京都大徳寺の泉田玉堂老師(田上町出身、京都大徳寺松源院住持)が講演します。演題は「日々新面目あるべし」

泉田老師は6月、「軽やかに生きる」と題した本を出版されました。数多い禅語の中から108の言葉を取り上げ、その意味とともに私たちはどう生きるべきかを日々の生活に結び付け、語りかけるようにやさしい言葉でつづっています。

講演では禅と會津八一の生き方、作品などを取り上げて話してくださる予定です。

なにやら閉塞感漂う昨今ですが、泉田老師のお話を聞き、「軽やかに生きる」ヒントを得たいものです。

「日々新面目あるべし」は會津八一が早稲田大学の教員時代、教え子の学生に書いて贈った「学規」4則のうちの4番目の言葉でもあります。「日々怠ることなく努力を重ね新しい自分を創りだしていこう。人間の生は躍動してやまないものだ」という意味です。学規は、学問芸術を学ぶときの心構えとしたものであり、八一自らの生活信条にもなっていました。

聴講希望の方は往復はがきでお申し込みください。返信はがきを聴講券としてをお送りします。
宛先は〒950-0088 新潟市中央区万代3の1の1會津八一記念館  025(282)7612

多数のお申し込みをお待ちしております。

心の合った者の交わす言葉は蘭のようにかぐわしい

會津八一記念館は7月14日、會津八一記念館で開催中の「芝蘭の交わり~八一と麻青の書画」を記念して文芸講演会「北方の人會津八一 麻青あて書簡をよむ」を開きました(会場:新潟市中央区万代の日報ホール)。講師の和泉久子先生(鶴見大学名誉教授)が、麻青宛て手紙の中の八一の作品などをもとに、新潟に根差した文学活動を展開した二人について語り、約80人が耳を傾けました。

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和泉先生は文学と風土の関係について「人間存在の基盤になるものであり、人間の特性を形作るもの」と定義し、「地方の心が培われて、それを新潟の風景を表すのは人間として当然のこと。越後の風土から感じたもの、風土それ自体を詠みこむということ」だとして上で、八一の《青貝のふばこの文や夜半の月》や《門をゆくひと物いわぬ深雪かな》を例に挙げました。麻青も《荒海のうろくづはみて吹き狂ふ吹雪に育つ北つ人かも》と新潟の風景を詠んでいます。 

「芝蘭の交わり~八一と麻青の書画」展では、八一と麻青が期せずして同じ言葉を揮毫したその作品も見どころの一つです。《同心之言其臭如蘭》です。これは「心の合った者の交わす言葉は蘭のようにかぐわしい」という意味です。このことについて和泉先生は「二人に通じた心があったのではないか。学問芸術は大切にしなければならない。この大枠で確認した。人間の尊厳を確立するものだという考えを持っていた」との解釈を示し、「《同心之言其臭如蘭》の中の「同心」とは審美眼、美への感覚、美的判断。同じ審美眼を共有することではないか」と、心を通わせた二人の関係について述べました。

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