5月25日、企画展「書人會津八一 その制作の現場」(7月2日まで會津八一記念館)を記念し、メディアシップ2階の日報ホール(新潟市中央区万代)で、書家で日展会員の杭迫柏樹先生から講演していただきました。題して「書家から見た會津八一の魅力」。

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杭迫先生は「力の弱い薬指と小指をどう使うか、書家が一生かけて追究する」と前置きし、八一が筆を持って紙に向かっている写真を見ながら、八一は「薬指と小指をまっすぐに伸ばして筆を持ち、体全体の力を筆に集中させている」、と分析しました。
 八一の書は「実に雄大。空に向かって練習したのではないか。雲の上を歩くような書だ。頑固一徹、厳しい人が作る線が柔らかなのが不思議だ」と、その魅力を語りました。
 さらに「素晴らしい才能を持った人は素晴らしい花を咲かす。ただ、その花をまねる人がいるが、花だけまねたのではだめだ」といい、「花を咲かすには根があり幹があり枝があるのだから、そこを学ばねばならない」と強調。「八一が何を学んだかを学べ」と、結果だけを見てまねることを戒め、「学ぶこと」について示唆に富んだ話をされました。100人余りの聴衆が熱心に耳を傾けました。

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