新潟市 會津八一記念館

會津八一記念館ブログ『秋艸日記』

2012年4月30日

講演会のお知らせ

 ゴールデンウィーク真っ只中。いかがお過ごしでしょうか。
 4月14日は、奈良県立図書情報館館長で、国際日本文化研究センター名誉教授の千田稔先生をお招きして文芸講演会を開催しました。「古代の風景へ 會津八一が憧れた奈良」と題して、會津八一の奈良歌や、法隆寺再建非再建論争から邪馬台国論争まで、幅広い内容で奈良の歴史と魅力をお話しいただきました。聴講者がホールに満杯になるほどの大盛況、ご参加いただきありがとうございました。
 
 さて、今回の企画展「會津八一と入江泰吉」は、もう一つ講演会を予定しています。入江泰吉が生涯に撮影したフィルム約7万点を所蔵し、今年開館20周年を迎えた入江泰吉記念奈良市写真美術館の学芸員、説田晃大先生をお招きして、入江泰吉と奈良大和路の魅力をたっぷりとお話ししていただきます。応募方法は往復はがきで記念館まで、たくさんのご応募お待ちしております。
 
講師  入江泰吉記念奈良市写真美術館学芸員
説田晃大先生
演題  「入江泰吉が写した奈良大和路 その魅力に迫る」
会場  クロスパルにいがた 4F映像ホール
日時  5月25日(金)
時間  午後6時から午後7時半(予定)
入場料 無料
申し込み締め切り 5月18日(金)
※申し込みは往復はがきで記念館まで

2012年4月 6日

春の企画展が始まりました!!

 新潟市内はまだ薄ら寒い日が続き、記念館敷地内にある梅も桜もつぼみのままですが、4月1日から企画展「奈良県・新潟市 歴史文化交流協定締結記念 入江泰吉没後二十年 會津八一と入江泰吉」を開催しています。

 戦後、1992年(平成4)1月16日、86歳で没するまで、約半世紀にわたって奈良大和路の風景や仏像を撮り続けた入江泰吉。今回は會津八一が愛した日本の原風景・奈良大和路を、入江の写真作品と共にご紹介いたします。
 
 以前のブログでもご紹介しましたが、新潟市と奈良県の間では、本年2月に歴史・文化交流協定が締結されました。この締結は、會津八一の奈良での足跡を通して、これまで交流を深めてきたことを認め、今後更なる交流拡大の決意を示したものでしょう。本展覧会は協定締結を記念した最初の展覧会になります。他方、入江泰吉記念奈良市写真美術館は本年、開館20年を迎え、その記念にもなる展覧会となります。
(学芸員・湯浅)
 
※今回の展覧会は、途中一部展示替えがあります。前期4月1日から5月13日までは入江泰吉のモノクローム写真を、後期5月15日から6月24日まではカラー写真を中心に展示致します。前期の入場券の半券をお持ちいただくと、後期は無料で入場できます。

2012年3月10日

春の草の話

 3月に入り、新潟市街の道路に残っていた雪も融け、徒歩での来館者も少しずつ増えてきています。それでも、まだ寒い新潟。展示中の第5回秋艸道人賞の新飯田茂雄さんの作品「あめつちに」を見ていると、桜の咲く季節が待ち遠しくなります。例年、三月末になると記念館の庭では、自称「新潟市街で一番早く咲くソメイヨシノ」が咲き始めますが、残念ながら、まだつぼみも見えない状態です。

 さて、今回の展示「収蔵品展」では、少し早い春にまつわる八一の作品をいくつかご紹介しています。その中で、「平家物語 巻十一 逆櫓」の一節を揮毫した碑の拓本作品も展示しています。
 
  春のくさ 暮れて あきのかぜに おどろき 
  秋のかぜ やみてまた はるのくさにもなれり
 
 この作品の原本は、当記念館の協力企業でもある浅川園の創業者、故・浅川晟一氏に渡されたものです。昭和30年10月1日の新潟大火の際、浅川園の古町本店が全焼。そのお見舞いとして、八一はこの言葉を揮毫し、渡しました。この書を受取った浅川晟一氏は「大火後の沈みがちな心に、勇気づけられるような気持がして、復興の意気に奮い立った」(「浅川園物語」より)と述べています。
「収蔵品展」は3月25日まで、ぜひご来館ください。
 
 3月11日は、東日本大震災発生から1年を迎えます。犠牲となられた方々への哀悼の意を表すとともに、被災地の一日も早い復興と被災者の方々が一刻も早く生活を再建できるよう祈念いたします。
(学芸員・湯浅)

2012年2月25日

新潟市・奈良県 歴史文化交流協定が締結されました

 去る2012年2月17日、新潟市と奈良県は、歴史・文化に関する相互支援、協力を推進するため交流協定を締結しました。今回の交流協定は、奈良をこよなく愛し、多くの短歌、書、美術史研究を遺した會津八一が縁で結ばれ、調印式に当記念館の神林恒道館長も出席しました。

 これまで新潟市會津八一記念館では、開館以来、八一が愛した奈良とのご縁を大切にし、交流を深めてまいりました。2010年には、平城遷都1300年に合わせて展覧会「奈良の古寺と仏像 會津八一のうたにのせて」が、新潟・東京・奈良の3会場で開催され、多くの入館者を呼び、無事閉幕することができました。
 当記念館では、この交流協定をきっかけに、さらに會津八一とその学芸の顕彰、普及活動に努めてまいりたいと考えております。その第一弾として、4月1日から締結記念の企画展「入江泰吉没後20年 會津八一と入江泰吉」を準備しております。一方奈良県では、奈良県立図書情報館で「(仮)會津八一の足跡をたどって」を、5月15日~27日まで開催する予定です。展覧会の詳細は、後日改めて広報いたしますが、どうぞご期待下さい。
 
 開催中の「収蔵品展、同時開催第5回秋艸道人賞写真コンテスト入賞入選作品展」は3月25日までとなります。新潟市内は不安定な天候が続いておりますが、現在は地面の雪もほぼ解けています。お足下にお気を付けてご来館ください。
(学芸員・湯浅)
 

2012年2月 4日

黒光菴の話

 今年の新潟県は毎日雪マーク。記念館周辺にも雪が積もっていますが、天気予報では寒波は峠を越したとのこと。少し安心しています。

 さて、現在開催中の「収蔵品展」ですが、近年新たに収蔵された作品資料もご紹介しています。ひとつは、新宿中村屋の創業者で女店主、相馬黒光に贈った書「黒光菴」。新宿中村屋といえば、インドカリーや芸術家を庇護したことで有名な老舗店です。

 黒光は、八一から書「黒光菴」を数枚渡されていますが、この作品はその一枚。黒光と親交のあった中学校の女性教諭が、書を学んでいたことから、譲り受けた書になります。
 昭和26年(1951)6月14日、黒光は八一宛の手紙で「黒光菴」を自宅の応接間に懸けていると記しています。その手紙を詠んだ八一は「貴菴に於ける拙筆額面(※《黒光菴》)等の御消息は興味深く拜承致し候」と返信しています。
 
 八一と黒光との交流は大正時代から始まりました。当時、八一は早稲田中学校の英語教師で、進級の成績に達しなかった黒光の息子・安雄を諭し、落第させました。すぐに相馬夫妻が八一を訪ね、いさぎよく落第させたことを非常に徳としてお礼をしたそうです。以後、黒光は、八一を最も尊敬する人物として名前を挙げています。安雄は八一の薫陶を受け成長し、新宿中村屋の2代目社長となり活躍しました。近年は日本での盲導犬の普及に尽力した人物としても知られています。
 
 ところで、會津八一記念館では2月より入学、就職シーズンにあわせて「学規」の複製を特別価格で販売いたします。額装、色紙、未表装の3種類をご用意しております。学問の規則を記した4ヶ条、入学、就職祝いなどにご活用ください。詳しくは會津八一記念館までお問い合わせください。
(学芸員・湯浅)

新収蔵 會津八一書「黒光菴」


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